マンション売却と税金のポイント
近年、マンション市場は海外投資家の流入などを背景に価格が急騰しています。不動産経済研究所が発表した「2025年2月の不動産価格指数」は 211.8(2010年平均=100) と、わずか15年で2倍以上に上昇しました。
また、福岡県においては、国交省発表の公示地価において、上昇率が住宅地が4.9%で全国3位、商業地が6.5%で全国6位となっています。
こうした相場を好機ととらえ、自宅マンションを売却する動きも増えています。
しかし、売却益が出た場合には税金(譲渡所得税)がかかります。以下では、マンションを売却した際に知っておきたい税制関係を簡単に整理して説明します。
マンション売却は譲渡所得として課税
原則として、マンションを売ったことで得られる利益、いわゆるキャピタルゲインは「譲渡所得」として課税対象となります。
この譲渡所得算定について簡単に説明すると、一般的には、譲渡所得は次の計算式で算出します。
- 取得費 … 購入時にかかった費用(購入代金、登記費用、仲介手数料、印紙代など)
- 譲渡費用 … 売却時にかかった費用(仲介手数料、印紙代など)
例えば、簡単に説明すると、例えば、5,000万円で買ったマンションを7,000万円で売却し、取得費+譲渡費用が合計5,200万円だった場合、譲渡所得は 1,800万円 となり、ここに税率がかかります。(特例や税額控除等は無視しています。)
居住用不動産の特例「3,000万円控除」

上記はざっくりとした計算式となりますが、実はマイホームを売却した場合には大きな特例があります。
生活の拠点を移すために売却代金の大部分を新居購入などに充てる人が多いため、課税によって資金を圧迫しないよう、譲渡所得から最大3,000万円まで控除できる制度 です。
夫婦で共有しているマンションの場合、所有持分に応じて、一定要件を満たせばそれぞれ3,000万円が控除されます。
例えば、譲渡所得が4,000万円出ても、夫婦それぞれ2,000万円の持分なら、各自3,000万円まで控除できるので、課税対象はゼロになりうるということです。
3,000万円特別控除の主な要件
この特例が使えるのは、次のような場合です。
- 現に住んでいる家を売却する場合
- 家とその敷地をセットで売却する場合
- 住まなくなってから3年を経過する年の12月31日までに売却する場合
ただし注意点もあります。
過去2年間(譲渡年の前年・前々年)に同じ特例を使っていると、再び適用はできません。
住宅ローン控除との併用には制限があります。例えば、入居した年かその前年・前々年にこの特例を受けた場合、住宅ローン控除は使えません。
上記については概要のため、詳細な条件は国税庁の「タックスアンサー」などで特例の適用を受けるための要件を確認することが必要です。
所有期間が10年を超えるとさらに軽減税率

マイホームを長く所有している人には、追加の優遇措置もあります。
売却した年の1月1日時点で 所有期間が10年を超えている国内の居住用不動産 を売却した場合、3,000万円控除後の譲渡所得に軽減税率が適用されます。
通常の長期譲渡所得の税率は 所得税15%+住民税5% ですが、6,000万円以下の部分については 所得税10%+住民税4% まで下がります。
例えば、単純計算で、譲渡所得が5,000万円の場合、通常なら約1,000万円の税負担が、軽減税率を使うと約700万円に抑えられることになります。
まとめ
- マンション売却益は「譲渡所得」として課税対象。
- マイホームなら 3,000万円特別控除が使える。
- 10年以上所有していれば 軽減税率 でさらに税負担を下げられる。
このように、売却益が大きいからといって必ずしも重い税負担になるわけではありません。
売却を検討している場合は、適用できる特例を確認し、早めに税理士などの専門家へ相談すると安心です。
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